子育ての基本は、ゆっくりゆっくりです。
幼児期は一生の始まりの大切な時期、一度しかありません。焦らずせかさず子どもの伸びゆく力を信じて待ってあげましょう。物質的に豊かになったはずの今こそ、他に振り回されずしっかりと地に足を着け、ゆっくり楽しんで子育てしましょう。
多様な価値観を持った大人が一方的に主張し、無理難題を子どもたちに要求していませんか?
また、私たち保育者も「正しい育児、知識」と称して「教えてあげる」という指導者的姿勢になっていないでしょうか。善意のつもりであっても深く反省しなければなりません。
子どもを預かり、保育することと同時に、保護者の方たちともよい関係を築き、共感し合うことも大切な役目です。子育てを支えることは、家族を支え、家族を支えることが子どもの育ちを支えることになるのです。
幼児期の子どもから発せられる乱暴な言葉、攻撃的な言葉、もっと悲しいのは、「どうせできないもん、生まれてこなければ良かった」などの自己否定的な言葉です。これらは、子どもが抱える辛さを訴えるサインではないでしょうか。
子どもは、自分一人では生きられないことを知っています。
保育園でも「いい子」、家庭でも「いい子」。親や保育士に見捨てられることを一番怖がっています。親や保育士が「いい子」が大好きだったら、子どもは見捨てられないように「いい子」になろうとしているのではないでしょうか。けれども、いつでもどこでも「いい子」でいられないのが子どもです。
「いい子でなくても大好きだよ」と丸ごと受け止めてほしいのです。ありのままの姿を肯定して力いっぱい抱き締めてあげましょう。